レザーバンドの
素材と仕立てについて
レザーバンドの構造は、表材・芯材・裏材の三層構造からなっております。通常、「カーフのバンド」「ワニのバンド」といった呼称は表材のことを指し、残りの二層、すなわち芯材・裏材は別の素材で作られていることがほとんどです。レザーバンドに使用される材料は多種多様であり、表材・芯材・裏材を組み合わせることによって、目的にあったバンドが完成します。
表材:表面に出てきていますので、バンドの顔となります。
芯材:外からは見えませんが、柔軟さやコシ・強度などに重要なパーツであり、時計本体との接合部になります。また厚みの調整もします。
裏材:直接肌に当たりますので、質感の良い素材、汗に強い素材などチョイスします。
仕立てについて
仕立て方法、すなわち、表材・芯材・裏材の三層構造をどうやって仕上げるかという製造方法ですが、主に3つのつくりに分けることができます。
切り身仕立て(Cutting Edge KOBA)
最も一般的に使われているタイプです。
芯材に表材と裏材を高周波加工で融着し、バンドの形状に切断して作ります。裁断面(コバ部)は塗装されます。シャープな味が表現でき、切れ目の塗装具合によって表現や高級感が変わってきます。
ヘリ返し仕立て(Turned Edge KAESHI)
切身仕立てについで多く使われております。
表材で芯材を包み込み、これと裏材を接着(縫製)させてつくります。バンドのエッヂの部分を表材で覆っているのが特徴で、それだけに見栄えもよく丈夫で高級なつくりと言えます。皮革の持つ柔らかなR面が全体のシルエットを柔らかくし、エレガントな雰囲気を演出します。
フランス仕立て(French Turned Edge AWASE)
へり返しの反対になり、裏材で芯材を包み込み、これと表材を接着(縫製)させてつくります。バンドのエッヂの部分を裏材が覆っているのが特徴です。高価な素材を効率よく使用できます。
また表材と裏材の色を変えることによって、コンビネーションカラーを表現することもできます。ヘリ返しと同様、高度な技術が要求されるつくりです。
その他の仕立て
- 半ヘリ仕立て
- 両ヘリ仕立て
- かしわ仕立て などがございます。